会長から皆様へ
今から25年前、私は母国ベトナムを離れ、日本に留学しました。ベトナムで過ごした時間よりもいつの間にか日本で過ごした時間の方が長くなりました。日本で学び、様々な知識と経験を得るとともに、自治体や企業の地域貢献活動や経済活動にも携わってきました。そして現在は、大学で教育・研究に従事しています。大学で日々学生の教育に勤しみ、先生方と研究交流をする中で、日本の大学生の国際社会に対する関心の薄さ、日本やベトナムの研究者が享受する国際的な研究交流機会の少なさという問題を認識するようになりました。実際これらの問題は、私の周りのベトナム人教育者、研究者、日本人教育者、研究者も悩ましく思っており、予想以上に深刻な問題であることがわかりました。
アジアは今や社会経済ネットワークの世界拠点となっており、アジアから学術、教育面での交流を広げていくことは極めて重要です。アジアの一員であるベトナムに生をうけた者として、教育・研究分野に従事する自分を日々振り返りながら、国際的な教育・学術交流のために自分が貢献できることはないかと模索しておりました。
そうした模索の中で「日本とベトナムを核とし、国際社会のために貢献していく」という強い思いを抱くに至ったのです。この思いを体現し、国際的な教育・学術交流を発展させるべく、この度「一般社団法人 アジア未来協会」を設立させていただく運びとなりました。
私が日本で生活を始めてから25年が経ち、愛する日本とベトナムの両国は今日互いに欠かせないパートナーとなりました。2023年には、日本とアセアン並びに日本とベトナムが外交関係を樹立して50周年を迎え、新たな発展を共に目指す記念すべき年となります。アジアの発展のため、この日本とベトナムの強固な関係を基礎として、将来的にはアジア各国の高度人材育成に寄与すべく、当法人は尽力して参ります。国際的な教育・学術交流はアジアの未来を担う高度人材育成に必要不可欠な要素で、国の発展を左右する要因の一つでもあり、そしてアジアの発展と幸福は私たちの一人ひとりの望みでもあります。アジアの将来に貢献する人々の結びつきを強め、共により良い未来と社会を創るため、当法人は人々を結び付ける発展の架け橋になりたいと思っております。皆さま方からのご理解とお力添えを賜れますようお願いいたします。

グェン トゥイ 博士(経済学)
アジア未来協会 会長
千葉商科大学 准教授