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2025年10月3日、アジア未来協会(AFA)はベトナム国家大学経済・経営大学(VNU-UEB)と共催で、Vietnam–Japan Partnership: Cooperation and Development in a Changing Global Contextをテーマに、Vietnam–Japan Forum 2025を開催しました。本イベントはハイブリッド形式で行われ、両国の政策立案者、大学研究者、企業関係者、さらに国際的な研究者が参加しました。本フォーラムは、アジアと世界における平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップの推進において重要な節目となりました。


来賓として、駐日ベトナム特命全権大使ファム・クアン・ヒエウ閣下、オンライン参加の駐日ベトナム大使館商務参事タ・ドゥック・ミン氏、在ベトナム日本国大使館の中島佑輔書記官をお迎えしました。ヒエウ大使は挨拶の中で、2023年に両国関係が包括的戦略的パートナーシップへ格上げされた意義を強調しました。また、日本がベトナムのデジタル変革、グリーントランジション、イノベーション、そして科学技術分野を強く支援していることに触れ、これらが2045年までにベトナムが先進国入りを目指す上で不可欠であると述べました。さらに、このフォーラムが今後も意義ある年次イベントとして継続することへの期待を表明しました。



日本側を代表して挨拶した中島書記官は、世界が複雑化する国際情勢、深刻化する地球規模の気候変動、そしてITやAI分野における急速な技術進展に直面している現状に言及し、過去の経験だけでは現在の課題に対応できないと述べました。フォーラムのテーマはまさに時宜を得た実践的なものであり、知識共有、経験交換、学術協力を深めることが、今後のベトナム・日本関係の強化に重要な役割を果たすと強調しました。
VNU-のグエン・アイン・トゥ副学長(准教授・博士)は、包括的戦略的パートナーシップを強化するには、まず貿易・投資・教育・イノベーションにおける協力の停滞要因を解消することが重要であると指摘しました。また、2030年までを見据えた短期的な重点分野と、2045年に向けた長期的な発展の方向性を明確にする必要性、さらに政府・企業・大学が連携する持続可能な協力モデルの構築が不可欠であると述べました。加えて、こうした取組みによって両国のパートナーシップを一層深めることが、ベトナムと日本双方の社会経済発展にとって極めて重要であることを強調しました。
フォーラムでは、以下の6つの基調講演が行われました。
Vietnam–Japan Partnership: Cooperation and Development in a Changing Global Context
駐日ベトナム大使館商務参事 タ・ドゥック・ミン氏
Vietnam–Japan Relations: Past, Present, and Future
西田竜也教授(東海大学)
Spillover of Environmental Standards through Trade: Evidence from Agreements Related to Japan
ヴー・ズイ博士(VNU経済・経営大学)
Vietnam Through the Lens of Japan: The Investment Story in Mutual Fund Prospectuses
篠沢義勝教授(一橋大学)
Japan’s Enduring Contribution to Infrastructure Development in Vietnam
ファン・フー・ズイ・クオック博士(CC1会長)
The Role of Supporting Service Enterprises in Japanese FDI: A Perspective from Netmarks Vietnam
チャン・テ・タイン氏(Netmarks Vietnam 副総局長)
また、VNU-UEBのヴー・タイン・フォン准教授と千葉商科大学・AFAのグエン・トゥイ准教授が共同座長を務め、VNU-UEB、東海大学、千葉商科大学の研究者が参加するテーマ別パネルディスカッションが行われました。
専門家たちは、以下の戦略的方向性を提示しました。
①FTAを効果的に活用した市場拡大、②持続可能なサプライチェーンの構築、③越境ECの促進、④研究・開発・イノベーション協力の強化、⑤制度基盤の整備、⑥高度人材の育成。さらに、技術的障壁の撤廃、政策改善、企業の協力拡大や新規投資誘致を支援するための政府の継続的な取り組みの必要性も強調されました。
フォーラムの締めくくりとして、主催者を代表しNguyen Thuy准教授が当日の議論を総括しました。リーダー、研究者、企業、国際パートナーからの貢献を受け、ベトナム・日本協力は将来のためだけではなく、今日の課題解決にも不可欠であることが改めて示されたと述べました。
トゥイ准教授は、ベトナムが2045年までに高所得国入りを目指すという目標は野心的であるが、イノベーション、効果的な政策立案、そして強力な国際パートナーシップがあれば実現可能であると強調しました。ベトナムと日本の継続的な協力により、この目標達成は十分に視野にあると述べました。また、両国のパートナーシップはより深く包括的な発展段階に入っており、急速に変化する世界において、課題に立ち向かい、イノベーションを促し、ともに成長するために、両国はこれまで以上に互いを必要としていると指摘しました。フォーラムの使命は、政府・教育・ビジネス・国際パートナーという4つの重要な柱をつなぎ、アイデアを実践的な解決策へと転換し、より平和で包摂的、かつ持続可能な未来に貢献することにあると再確認しました。
最後に、アジア未来協会(AFA)は、学術交流と国際協力の架け橋として、ベトナムと日本の研究者・企業の対話、研究、そして実りある協力をさらに推進していく決意を改めて表明しました。
アジア未来協会(AFA)
















